病院から歩いてアパートまで帰る。 そんな時間さえも惜しい。 ずっと颯の近くにいたい。 「………………颯」 消えそうな声で呟いた。 学校にも行けない。 お腹も空かない。 誰にも会いたくない。 心に大きな、大きな 穴が開いてしまったみたい。 「……………麗っ!」