「は?」
めずらしく間抜けな声を出した颯。
表情は相変わらずだけど。
「だから、今日は俺が送ってくから、おめぇは店の片付けでもしてろ」
そう言ってあたしのことを
引っ張り歩き出そうとした。
「なにそれ?いきなりなんなわけ。今まで俺に押しつけてたくせに」
押しつけてたって
地味に傷つくんですけど…
「別に押しつけてた訳じゃねぇよ。今日は麗ちゃんに話あんの」
何?
「話ならここですれば?てか手離してくんない?」
めずらしく颯が饒舌。
右手は颯、左手は大輝さん。
話がみえなくてあたしは
あたふたするだけ。

