「だったら、はやくきっぱり断りなよ。んで、一ノ瀬先輩に告りな」
「む、むり。当たって砕けられるほどあたし強くないし…」
「砕けるかどうかなんて分かんないじゃん!てか、瞬も勇気出したんだよ?麗も頑張りなさいよ!」
それは、分かってる。
あたしはきっと怖いだけ。
振られて颯と関われなくなるのが。
前に颯に捨てられた女の人が
まるで初対面のように
あしらわれているのを見た。
そうなるのが怖い。
「あたしは別に颯と付き合いたいわけじゃないんだもん」
すると夏帆に
ほっぺたをつねられた。
「そんなこと言って、一ノ瀬先輩に彼女ができてもいいの!!!!?」

