「ねー夏帆」

「んー?」



相変わらず夏帆は
ケータイをいじっている。



「あたし、今日からバイトすることになった」

「ふーん。って、バイト!?」



あ、こっち見た。
ていうか、驚きすぎ。



「うん。駅前のカフェ?みたいなところで」

「そんなこと一言も言ってなかったじゃん!」

「決まってから言おうと思って」

「あ…昨日もしかして面接だった?」

「え?」

「なんか麗、朝から様子おかしかったから夜アパート行ったんだけど留守だったから」




そういうことか。
颯とはちあわせなくて良かった。