「じゃ、俺片付けしとくし颯、麗ちゃん送ってやれよ」
「は?やだよ。寒いもん」
この男は…。
「家近いんで大丈夫です。駅前だし人も多いから」
「いや、人多いし危ないんだよ!ナンパされるって絶対」
「いや、あたしがナンパなんてされるわけないです。大丈夫です」
「「………」」
「はぁ、行くよ」
そう言って一ノ瀬颯は立ち上がり
あたしの手を握った。
「っちょ、」
だからこういうのは
やめてほしいのに…。
「じゃ、麗ちゃんまた明日♪」
「あ、はい。コーヒーごちそう様でした」
一ノ瀬颯に引っ張られながらも
大輝さんにお礼を言って
店を出た。

