「しっかし、麗ちゃんほんと美人だな。颯なんてやめて俺にしない?」
思わず飲んでいたコーヒーを
吹き出しそうになった。
「あの、あたしあいつとなんの関係もないですから」
「え?そうなの?颯がここに女の子連れてきたのはじめてだったから…まぁ、お客さんはみんな颯目当ての客ばっかりなんだけど」
店内を見渡すと確かに
女の客ばかりだった。
でも大輝さん目当ての人もいるんだろうな。
一ノ瀬颯もかっこいいけど
大輝さんも負けてないくらい
かっこいいと思う。
「そうなんですか…」
適当に相槌を打って
コーヒーを飲んでいると
奥から一ノ瀬颯が出てきた。
「なに話してんの」
「別に、ただの世間話だよ。な、麗ちゃん」
「あ、はい」
「ふ-ん」
興味なさそうにそう呟いた
一ノ瀬颯は他の客に
呼ばれてテーブル席の方へ
行ってしまった。

