私はぎゅっと強く抱き締め返す。 そして、小さな声で独り言の様に言った。 「私の家の近くに天文台があるんです。 そこから見る星はとても綺麗なんですよ。」 「そうか。」 しばらく二人は見つめ合うと、徐々に肩から力が抜けてお互い強く抱きしめた身体は自然と離れた。 セイさんは、さっきとは打って変わって安堵の表情を浮かべていた。 私はゆっくりとセイさんの手をふりほどいて、山の入り口へと歩みを進めた。