私は悟った
セイさん以外、誰も私を歓迎していない。と。
空気が怖かった。
私を見る視線が、なによりも怖かった。
「…帰ります。」
唐突な言葉に、セイさんは瞳を揺らす。
「これから用事でもあるのか?」
「…はい。」
嘘にきまってる。
ただこの場から逃げるためのウソ。
「そうか…送ってく。」
「大丈夫です、もう…。大丈夫です。」
私は立ち上がって、深くお辞儀をした。
「ありがとうございました。色々助けてもらっちゃって、久しぶりに楽しい時間が過ごせました。」
楽しい時間だったというのは本当のこと。
普段の日常からはかけ離れた世界に、
胸がドキドキしたのは間違いない。



