お前に全て、奪われた。 Ⅰ




「君は一体何者?」


その質問は、私がよく自分に問いかけるモノ。

私は一体何者?

親は?

生まれた時からあの屋敷に住んでいたの?


いくら考えても、5歳から前の記憶は殆ど覚えていなかった。


私は物心着いた時からあの屋敷に1人で住んでいて、朝になると屋敷の前にはいつも必要な物資が置かれていた。


そして、中学生になった時には既にあの噂は知れ渡っていた。



「私も、よくわからないんです。」



ヒョウさんの疑いの念は余計深まった。



「おい、もう尋問みたいな真似、やめろ。」



セイさんが、ヒョウさんの事を睨む。


こんな、空気にしたいわけじゃ無かったのに。


微妙な空気が流れる。


「ごめん、ごめん、ただ噂の子だから気になっただけだよ。」


と、笑って空気をヒョウさんが誤魔化した。