厳つい人達の間を通り抜け、
また一つ、扉を潜ると一直線の廊下に出た。
そして、丁度廊下の真ん中くらいにある真っ白な部屋の前でセイさんは足を止める。
「ここ。」
「…入っても大丈夫ですか?」
「…問題無い。」
私は扉の前に立ち、ドアノブに手を掛けてゆっくりと扉を開けた。
「…わっ。」
扉を開けた瞬間、何時もと変わらないヒロくんが私に飛び込んできた。
体の至る所にガーゼが貼られているけど、本人は全く気にせずに私に抱きついていた。
さっきの緊張が一気に解けて、ほっと胸を撫で下ろす。
「ひろ、さっき安静にしといてって言った ばっかりだよね?」
新たに白い白衣を着た男の人がヒロくんの後ろから顔を出した。
「…お姉ちゃんの足音がしたんだもん。」
「…はあ、全く近頃のガキは…」
そう、溜息と一緒に心の声は完全に漏れていた。



