「さあ、着きましたよ。」
車のエンジンを切り、急いで私の方のドアを開けてくれる厳つい人。
一言お礼を言って、外に出る。
外に出て、私の目の前に聳え立つ大きなコンクリートで出来た倉庫。
「本当に、ここに…?」
車から降りたセイさんに問いかけた。
「…あぁ、心配するな。」
それだけ言って、歩き出すセイさんを私はついていった。
中に入ると、まず初めにエントランスと思われる広間に着いた。
外見同様コンクリート剥き出しになっているのかと思いきや意外にもそこは綺麗だった。
次に、運転手の厳つい人達に似た人が二列になって道を作っている事に驚いた。
セイさんは、そんな光景気にもとめずにスタスタとまた、列の間を通る。
そして、セイさんに厳つい人達は大きな声で順に挨拶をして行った。
私はその挨拶の声にまでもビビる。
「そんな怖がらないでも大丈夫ですから。」
後ろから運転手さんに声を掛けられた。
列を抜けた先には、無表情のセイさんがこちらを見つめ足を止めている。
い、行かないと。
…これ以上迷惑を掛けられない。



