お前に全て、奪われた。 Ⅰ





「わ、似合わない…」



全身鏡に映る自分の姿を見て、大きく溜息を吐いた。



「マント…マント…」



直ぐにマントを探した。


でも、あの黒いマントは部屋中探しても何処にも見つからなかった。




「あの、黒いマント知りませんか?」



「血がついてたからクリーニングに出した。」




それを聞いた私はガックシと、肩を落とした。


はぁ…もう、外に出たくもないよ。


一日中此処に引きこもれるわけ…無いよね…。



はぁ…。



また、大きな溜息が出た。




「おい、着替え終わったか?」


「はい…あ、でも…っ」



ガチャーーー


遂に扉は開いてしまったんだ。



「どうしてそんな場所に居る?」



私は咄嗟に窓際に隠れて全身にカーテンを巻き付けてどうにか服を隠して居た。