全部、私からだった。

その言葉は、私の心にグッサリと突き刺さった。

でもすぐに、自分自身も忘れていた重要な事実を思い出し、慌てて口を開いた。



「どちらにしても、私たちはもう終わったんです。もう関係ありませんから。今後二度と、ご迷惑をおかけすることはないと思います」


「谷口くんの方はそうは思ってないわよ」


「え?」


思わず目を見開いて、まじまじと彼女を見た。



そしたらまた彼女は、小さな溜息を一つこぼす。



「谷口くんにとって、灰色は有り得ないのよ。白か黒しかないの。あなたが『別れる』と言わない限り、彼はいつまでも待ち続ける。

あなたを失うことを恐れて、ビクビクして……見ていてほんと、気の毒なぐらい。

谷口くんとのこと、あなたの中で本当に終わっているのなら、はっきり別れてあげてくれないかしら?

彼の代わりは居ないのよ。それで私たち、本当に困っているの。

あなたも大人なら、ちゃんとケジメをつけて。日本国民のためにもね」