全部、私からだった。

さらに一週間が過ぎ、ようやく元の寂しい独り身生活に慣れてきた頃、私が働いているピアノ教室に、一人の女性が体験レッスンにやってきた。


何故だか私をご指名で。



背が高くて、もの凄くスタイルが良い。おまけに美人、まるでモデルさんのよう。

同性である私も、思わず見とれるほどの美しさだ。



「ええっと……習ったことはありますか?」


お互い、軽い自己紹介を済ませた後、ピアノに向かって座り、右人差し指ででたらめに鍵盤を押している彼女に尋ねた。


子どもが遊んでいるような動きでも、美女だと何故だかとても様になる。

こちらの方がドキドキしてしまう。



いいえ、と答えて彼女はピタリと手を止め、傍らに立つ私を見上げた。