全部、私からだった。




可愛い?



今彼、サラリと私のこと『可愛い』って言った?


そして、初めて長文喋った、ということに何故か感動。



「お前……可哀そうなぐらい不器用なヤツだなあ」


隣の彼は、溜息まじりにそう言うと、私に向かって右手を上げて、


「多恵ちゃ~ん、俺と席替わって!」


と叫んだ。