全部、私からだった。

その瞬間、私の口から悲鳴のような声がこぼれ出た。



りっくんが半身を起こして、私との間に少しだけ距離をとり、首に巻きつけていた私の両腕が緩んだ。



顔を間近で見詰められ、恥ずかしくて俯いた。

だって私、今きっと、酷い顔をしている。



「顔見せろって」

私の顔を覗き込むようにして言い、キスで上向けられた。


「やだって。見ないで、恥ずかしい」

泣きそうになりながら、それでも悦びの声をあげながら、私が切なる願いを口にすれば、



「多恵、可愛過ぎ。可愛過ぎて――

メチャクチャにしたくなる」



そう言って、りっくんはもう一度、私の唇を塞いだ。