全部、私からだった。

「何を?」

りっくんはもう一度聞いた。



ああ、駄目だ。もう逆らえない。



「りっくんをちょうだい」

少しでもどちらかが身じろぎすれば、その微かな音で掻き消されてしまいそうな、そんなもの凄く小さな声しか出てこなかった。



「最初からそう言えよ」

そう言って、りっくんは私のお尻を持ち上げると、私の背中を浴室のタイルに押し付けた。私の身体がフワリと浮き、そして――



ようやくりっくんは、私の中を欲しくて欲しくて仕方がなかった『それ』で満たしてくれた。