全部、私からだった。

りっくんはそんな私にはお構いなしで、スイと立ち上がると、脱いだTシャツで上半身を拭いながら、クローゼットへと向かう。



「ごめんなさい」

筋肉でボコボコした背中に謝った。



「何が?」

りっくんは足を止めて振り返り、不思議そうに私を見た。



「なんでだろう……。私、りっくんと居ると、凄く我儘になる。嫌なことばっか、りっくんに言っちゃう」



りっくんは、フゥと短く息を吐いてからフワリと微笑んだ。


私の傍へ戻って来ると、向き合うようにして片膝を落とす。そして、右手でそっと私の頬を包む。



「それってさ、俺にだけは我儘言えるってことだろ? 嬉しいって、ほんと。

多恵が本心で言ってんのかどうかぐらい、俺わかるし、気にすんな。

我儘でも、嫌なことでも、どんどん言えよ。バッチコイだって」


そう言って、ニッと笑った。