全部、私からだった。

「考えてな……」


最後まで言わせずりっくんは、私のうなじと腰に腕を巻きつけ抱き寄せた。そうしてすぐ、私の唇はりっくんのそれで塞がれた。



何度も角度を変えて、合わせられる唇。

まるで、私の全てを奪おうとしているみたいに貪欲で激くて。


捻じ込まれた舌は、さっきの親指とは比べ物にならないほど、私の中で暴れ狂う。



唇にかけられた圧で、後方に押されるも、私を抱き締める逞しい腕が、逃れることを許さない。



窒息しそう。

でも、このまま死んでもいい。



このまま死んでもいいから、やめないで欲しい。