全部、私からだった。

「デザート食べる? 多恵、アイスクリーム好きだっつってたろ? ここのバニラ、超有名で――

多恵? どうした?」


また私は気持ちが顔に出ていたのだろうか。りっくんが心配そうに尋ねる。



「ん……。

りっくんが遠い」

そう言うと、りっくんは不思議そうに首を少し傾げた。


そして、

「こっち来るか?」

真ん中に座っていたのだけど、お尻を少しずらして端に寄った。ついでに座卓から離れて後にさがり、足を投げ出して壁にもたれた。



「うん、行く」

私は四つ這いになってりっくんの隣に移動した。そして、りっくんと同じように、両足を前に伸ばして壁にもたれた。