その日りっくんは私のために、全席個室の高級そうな和食屋さんを予約してくれていた。



「旅館みたい」


部屋の余りの広さに、思わず感嘆の声を上げた。

そんな私を見て、りっくんも満足気な笑顔。



次々と料理が運ばれ、大きな座卓一杯に並べられると、通路沿いの襖はお運びさんの「ごゆっくり」の声と共に閉められた。


その反対側の窓からは、中庭が見渡せるようになっていて。

一体お会計は、お幾ら万円なのかしら、と不安になる。



しばらく色とりどりの料理を眺めて、呆然としていた。