全部、私からだった。

「そうなの? 凄く可愛いのに」

彼はまた、サラッとそんなことを言った。

恥ずかしくて、思わず俯いてしまう。



「凄く可愛い。本当に」


そう言われて、再び顔を上げて隣の谷口くんを見上げれば、ジョッキをグイグイ飲み干すクールな横顔。



その逞しいほどの凛々しさに、ドキリとした。



顔が有り得ないぐらいに熱い。どうしよう……。



この人に興味がある。


もっと知りたい――

――谷口くんのこと。