全部、私からだった。

また視界が滲んで……。


思い出したように、慌ててお辞儀を済ませて身を翻し、ピアノに向かって腰かけた。



視界がぼやけて、はっきり鍵盤が見えないけれど、大丈夫。


後は――

この10本の指に委ねるだけ。



リストの『ため息』。



あなたの優しさに、何度もこぼした『ため息』。

あなたの愛に、何度もこぼした『ため息』。

あなたがくれた幸せに、何度もこぼした『ため息』。

あなたを愛する喜びに、何度もこぼした『ため息』。



届かなくてもいい。報われなくてもいい。

私の想い全てを込めて、この曲をあなたに捧げよう。




私の愛全てを、りっくんに……。