全部、私からだった。

察しのいいりっくんは、私を一目見て、よりを戻しに来たのではないと悟ったようで。


使い古された再開の挨拶と、店員へのオーダー以外、言葉を発することもなく、お互い黙ったまま、ただ時間だけが通り過ぎて行く。



とても、不思議な気分だ。

まるで、タイムスリップでもしたかのよう。


店の内装も、店員の顔も、何も変わっていない。

それなのに、 私とりっくんを包んでいる空間だけは、ポッカリと穴が開いたように、どんよりと、重々しい。



注文したアイスコーヒーが運ばれてくるのを待って、私から沈黙を破った。


「りっくん、別れよう」


俯いたまま、一気に吐き出した。



一言で充分だ、充分過ぎる。


りっくんに、それを拒む権利なんかないんだから。

私にあんな酷いことをしておいて。