全部、私からだった。

久しぶりの電話はとても緊張した。



私が「話があるから会いたい」と伝えると、りっくんの声が弾んで。

心が痛んで、また決心が鈍る。



こんなことでは駄目だ。


私はりっくんの仕事の邪魔になる。

国民の命が掛かっているんだ、頑張らなくては、しっかりしなくては。


何度も何度も自分に言い聞かせた。





久々に会うりっくんは、綺麗に整えてあった顎鬚が、伸び放題の無精髭に埋もれてしまっていて。

疲れた顔に浮かべた笑顔に、胸を引き裂かれる。



出会ったばかりの頃、待ち合わせ場所にしていた喫茶店に今、二人は向かい合って座っている。