あんまり、花美に会わせろ会わせろ、うるせぇから、適当に誤魔化しといたのに、



“だったら、あんたのカードも口座もぜ~んぶ凍結してやる!!”



とうとう、痛いトコついてきやがった。

クソッ……

未成年なんて、マジろくでもねえ。



「ちょっと、伊都。ふてくされてんじゃないわよ!ちょ~っと花美ちゃん借りるだけでしょ?」


「ふてくされてなんかねぇよ!じゃあ、もうオレ行くからな!!7時にまたここに迎えに……って、オイ!!」



オレの話なんか、まるで聞いてねぇ!!

サッサと二人して、待たせてあった車に乗り込んでやがる。


でも、後部座席に母さんと並んで座っている花美は、


やっぱ、すげえキレーで……


この程度離れただけなのに、めちゃくちゃ遠く感じる。


母さんに、何を話しかけられてんだ?

花美が少し頬を染めて、笑った。



――ムカッ……



あんな顔……

オレには見せねぇクセに……


一気に不安に襲われて、カラダが強張る。

いくらオレだって、いいかげん気づいてんだ。

花美はどんどん笑わなくなってる。


毎日そばにいて、抱きしめてんのに、

時々、夢ん中でうなされてて、

今日だって、気持ちよさそうに寝てたはずなのに、

いつの間にか伏せた目から涙が溢れていた。



――何考えてんの?花美……


――またどっか行って、このまま帰ってこないんじゃね?



正直、こないだみたいなのは勘弁してほしい。


あれは……


まだ、花美を抱いてなかったから、理性だってそれなりに保ってられただけで……


今度は……

もう、無理だ。


お前が他のオトコと……何もなくても一緒にいるなんて、許せねぇ。

自分でも何すっか、見当もつかね……