『透のこと

嫌いになろうとしても

忘れようとしても

無理だった。』


たぶん、これから先もずっと

嫌いになんてなれない。


『でも……心のどこかで

もう傷付きたくないって

思ってる。』


本当に透を信じてもいいのかな

って思ってる自分も居る。


「それでもいい。

深久が側に居てくれるなら。

もう1度、好きになって

もらえるように俺が頑張るから。

もう絶対に傷つけないから……」


俺の側に居てくれ、

と、祈るように言われたら……

バカなわたしが出来るのは

1つしかない。


『透の側に居るよ。』


離れていたベッドに近付き、

俯く透を抱きしめた。