お姉ちゃんがタクシーから降りて

身体をずらした先に

見えたのは……


『っ、!』


寝ている透の姿だった。


『お、お姉ちゃん?』

「本郷透。あたしの部下」

『え!?』


呆然としているわたしを叩いて

早く、と言うお姉ちゃん。


いやいや……え?

部下って言った?

透のこと知ってたの?

聞きたいことは

いっぱいあったのに、

酔っ払って寝ている透を

運ぶのに精一杯で

それどころじゃなかった。