動揺しておかしくなりそうな胸を 強く押さえながら、 音を立てないように 慎重に歩いた。 『……、』 寝室の前。 脱ぎ散らかされている透のスーツ と、 女物の服。 もう、疑う余地はなかった。 寝室のベットには 寄り添って眠る透と、知らない女。 『ふぅ……。』 大きく深呼吸をした。 落ち着け、わたし。 *