何なんだよ、いきなり。 わけがわからなくて かけ直してみたけど出なかった。 「どうかしたの?」 「理香、帰ってくれ」 「えー?いきなりー?」 ぐだぐだ文句を言う理香を 迎えに呼んだタクシーに 無理矢理乗せて帰らせた。 落ち着いてから もう1度、深久に電話をかける。 やっぱり出ない。 「なんだよ」 ふ、と。 2日前のことを思い出した。 『来てね、待ってるから』 深久の声で、記憶が蘇った。 そして、 リビングの机の上に 置かれたものに気付いた瞬間、 足が止まって、思考も止まった。 *