桜が咲く頃に…。



人のせいにして。

誰かを恨んで。


本当にさ、バカなことしてたよ。



そんときの自分は、誰かを恨んで恨むことしかできない…心の小っせぇ男だった。


よく考えたらさ、親父なんて何も悪くねぇのにさ。

あんまり、親父の記憶はないけど…。


幼い頃の俺に言ったんだ。



強くなれって。



親父は、これしか言わなかった。

そのまま、母さんと俺を残して、死んでしまった。



俺は、まだ良かった。母さんが居るから。

だけど…。母さんはすっげぇ辛かったと思う。


自分の一番大切な人を失って、極めつけには…息子の俺まで、親父と同じ病気で死ぬとはな…。