桜が咲く頃に…。



いつかは、無くなってしまう…命なら…。


この世界に、生まれてこない方が…幸せかもしれない。



辛い思いもしない、悲しい思いもしない。



この“世界”を知らない方が…。


良いのかもしれない。



あたしは、そう思ってた。




でも、そうちゃんは違ったね。


人には…色々な感情や考えがあるんだね。



そうちゃんは、生まれきた方が…幸せだって言ってた。



“俺は、生まれてきた方が幸せだと思う”

“辛いこと、悲しいこと、確かに…たくさんあるかもしれねぇけどさ!生まれてこないと分からないことだって、たくさんあるじゃん?”

“それに…この世界で、今の自分の存在で生まれてこなかったら…遥奈には会えなかったと思う”





“だからさ、神様には…すっげぇ感謝してるんだ!”





そうちゃん…。あたしね…。


神様のこと…凄く恨んでた。



そうちゃんを…こんなにも辛い試練を与えたのも…。



神様なんだって。



だから…だから。



恨んでた…。神様のこと…。