桜が咲く頃に…。



気付けば…涙が零れていた。


「…ッ…あたし…何も……してない…」

「…?」

「…まだ!そうちゃんに恩返ししてない!」


涙を流しながら、力強く言う。



そして、そうちゃんの胸に飛び込んだ。




「そうちゃんばっかズルイよっ!…いつも強がって…あたしのこと守ってくれて!…それなのに…どうして、あたしには…ダメなの?…あたしは、そうちゃんの役に立ちたいのに!」



そうちゃん…。


あたし、こんな風に…自分の気持ちを正直に言うのって…。


初めてだっかもしれない。



そうちゃんの前だとね。


どうしても…素直になってしまう自分が居るの。



そうちゃんの前だからだよ。



そうちゃんだから、正直になってしまう。

そうちゃんだから、こうやって抱きついてしまう。




そうちゃんだから、側に居たいって…思ってしまう。