桜が咲く頃に…。



そうちゃんのお母さんに会った。


凄くビックリしてた。



手に持っていた、ポカリを思わず落としていた。



あたしは、小さくお辞儀をして、その場を立ち去ろうとしたら。



「待って、遥奈ちゃん」



引き止められたんだ。



振り返ると。




ギュッて、抱きしめられたんだ。


ビックリした。



そうちゃん。

この時ね…そうちゃんのお母さん、泣いてたよ。


おばさんね、我慢してたんだよ。


そうちゃんの前で泣くのを…。



“私が泣いてたらダメだから。母親の私が一番しっかりしないといけないのよね”



切ない声で言っていたよ。