ねぇ、そうちゃん。
キミは…どこに行ってしまったの?
どうして…いつも、あたしに意地悪をするの?
小さい頃から、そうだったじゃない。
あたしが、転んで泣けば…。
“泣き虫ー!”
バカにして笑う。
人のお菓子を勝手に食べたり。
砂遊びで、せっかく作った…トンネルを足で潰したり。
あたしはね。正直に言えば…。
そんな、そうちゃんが嫌だったんだ。
だけど…。
嫌いにはなれなかったの。
だって…。
転んで泣いたときは、あたしに手を差し伸べてくれた。
お菓子を勝手に食べられて、泣いたときは…ちゃんと買ってきてくれた。
トンネルを崩したときは…ちゃんと謝ってくれた。
そうちゃんはね、優しいの。
だから…。
そうちゃんは…。
あたしのことを置いていったりしないって…信じてた。


