「ねぇママ、お願いがあるの」
「何?」
「結衣ね──今日、お姉さんに泊まってもらいたいんだけどいいかな?」
「お姉さんに聞いてみないとね……」
「唯佳さん、結衣のワガママを聞いて頂いても良いですか?」
「えぇ、構いませんよ」
「すいませんね」
お母さんが、そう言ってる一方で、幼い結衣は無邪気に喜んでいた。
結衣も、行き場がないから棚からぼたもちみたいで嬉しい申し出だった。
また幼い自分の無邪気な姿に微笑みを隠せなかった。
結衣は、いつまでこの時代にいるのか分からない不安が大きかった。
だけど……元の時代へ帰れるまでは、この時代で生活しなければならない。

