「先生は何で私にキスするんですか………?」
「えっ………」
「貴女には大切な人がいるでしょ………。だから、私に構わないで………」
そう言うと先生は不思議そうに私の顔を覗いてくる。
「もう………先生のせいで私は、私は、おかしいのよ!いつもどこでも、気がついたら勝手に先生のことを思って、勝手に傷ついて……」
「………………。」
「もう、フェロモンただ漏れで私にキスして誘惑しないで、ただでさえ、先生とお姉ちゃんの関係を知って、私は先生のせいで胸が張り裂けそうな程苦しいのよ!」
言ってやった!
これで胸の苦しみも取れるはず……
そう思っていたのに、先生は真面目な顔をして呟いた。
「綾子………」
「何よ………」
どうして、こんな時に名前を?もしかして、呆れてる……?
私の心の声を聞いて、何考えてるんだって、笑いたくなった?
すると……
「もしかして……俺のこと好き?」

