隣に住んでいるのは先生で……。




―――ガラガラッ



とりあえず、先生に会わないといけないと思った私は、数学準備室のドアを開けた。



しかし、やっぱり先生はいなかった。



でも、数学準備室に入ったことがない私は突然興味が湧き、数学準備室に足を踏み入れた。






「うわぁ………。やっぱり、本がたくさん………」



そこにはたくさんの数学の参考書や教科書が一面にズラーと並んでいる本棚がいくつかあって、真ん中の窓側に先生の机があった。



そして、机にはまだ湯気が出ているコーヒーが入っているカップが置かれていた。



「だから、この部屋に入ってからコーヒーの匂いがしてたのか………」



まだ湯気が出ているってことはさっきまでいたのかな………?



じゃあ、また戻ってくるよね………。



私は近くのメモ用紙とボールペンを借りて先生宛てに書いた。



ただ一言………



“ありがとう”と。