コンプレックス*ラヴァー




「くるみっ?」



キスの合間。

ふと気を抜いた瞬間。


どん、と押されたかと思ったら……



「何して……」



俺は後ろに倒れていて、くるみは抱きついたままで……って、


つまりは“押し倒された”状態?


「くる…」


もう1度、開きかけた唇は簡単に塞がれてしまった。


俺の顔を両手で包み込んで、しっかり固定して。

柔らかい唇を押し付けてくるくるみ。


長い栗色の髪が、ふわりと頬にかかって、なんだかぞくっとした。


その甘さに酔いそう…っていやいや。

このままはヤバイ。

なんで、俺が“襲われてる”わけ?

普通は逆…じゃなくて!



「くるみ?」


唇が離れたのを見計らって、そっとその身体を引き剥がしたものの……


「ちょっ…」


すぐさま、再び顔を近づけてくる、くるみ。


「何して……」


「……だって、好きなんだもん。」


「はっ?」


「“好き”が暴走しちゃったら、くるみはもう止められないの。」



……はあっ?