「……ん、新ちゃ…」
すごいな、と思う。
人間ってすごい。
本能ってすごい。
「んーっ…」
触れるだけのキスが、深いものに変化するのに時間はかからない。
触れ合っているうちに気持ちは高ぶってきて。
いつの間にか、くるみは身体ごと振り返って俺に抱きついていた。
それを受け止めつつも、唇を離すことはできなくて……
なんか、もう…夢中で求めてしまう。
……こんなになるとは思わなかった。
こういうこと、できちゃうんだなぁ。
今まで、
慎也のせいか俺自身のせいか…“恋愛”とは程遠い生活を送ってきた。
まあ、それなりに忙しかったし、今はまだいいかなって思いもあったんだけど。
でも何より、
慎也が近くにいる限り、簡単にいかないことはわかってたから。
諦めてた。
“大学デビューだ!”なんて思ってた。
だから、当然、
“つき合う”なんて初めてだし、こういうことも……
「……っわ。」

