コンプレックス*ラヴァー




……まあ、確かに。


高校生にもなって、自分のことを名前で呼ぶのは少しは抵抗ある、かもな。

初対面ならなおさら。

さすが“幼なじみ”。
的確なアドバイスだ。


でも……


「無理しなくていいんじゃない?」


俺は言った。

別に無理して変える必要はないし。

少なくとも、俺は特に気にならないし。


「先輩は嫌じゃないの?」


必死だったから、


「うん。いいんじゃない?可愛くて」


なるべく柔らかく言ったつもり。

それに安心したように表情が和らいで……


「じゃあ、そうする!」


彼女はにっこり笑って……

その日から“くるみ”になった。




……って、
それは今はいいとして。


ゲームを頑なに拒むくるみ。


どうしたものかと思いつつも、やめられなくなってしまった俺。


んー……



「そうだ。教えてやるよ。だから、一緒にやろう?」


「一緒…に?」


「……やだ?」


「……やる。」



しぶしぶながらも、くるみは起き上がった。


よしっ!