「……えっ?えーっ?」


その姿を見て、目を丸くしたのはカズヤで。


「新ちゃんの“彼女”ってあの子なの?」


俺のことを引き寄せて、焦ったように小声で確認してきた。


「え?あー…うん。」


“彼女”は抜きにしても、告白はされた。…と思う。


「うっわー。マジかぁ」



なぜか、頭を抱えるカズヤ。

……何だ?


「新ちゃん、いきなりすごすぎだよ。」


入り口のほうを気にしながらも、小声で続けるカズヤ。



「あの子…くるみちゃん。
2年の女子の間じゃ、ダントツでしょ?」


「……?」



くるみ…確かに、あの子は最初にそう名乗った。


「2年C組、森村来実(モリムラ クルミ)です。」って。


まさか、自分への告白だなんて思わなかったから、「可愛い名前だね」なんて言ったような気がする。

そしたら、すごく嬉しそうに笑って…あのセリフを言ったんだ。


「入学してきたときから、“可愛い”ってかなり騒がれてたじゃん。

一部の男子生徒の間では“姫”って呼ばれてるらしいよ?」