教壇と愛の狭間で~誰も知らない物語~

駅前に着くと先生はすでにいた。


スーツ姿で。


「先生!」


「おっ、おはよう」


朝から必殺スマイルを見せる先生。


「先生、実は自分から言い出しておきながら、どこに行くか決めてないんですよ」


「そう言うと思ったぜ」


「…すいません」


あたしは頭を下げる。


客観的に見たら違うように見えるだろう。


先生があたしに謝らせている感じに見えるんじゃないかな。


「じゃあ行くか」


先生がいきなり変なことを言い出した。


「はい?」


「俺は行きたい場所は一応あるんだ」


「どこですか?」


「とりあえずついて来い」


手を引かれるがままに駅の中へ。


そして720円の切符を買った。


そして電車に乗り込む。


本当にどこへ行くつもりなんだろう。


「先生、あの」


「…」


シカトか?


「先生ってば」


「…すやすや」


ね、寝てる。


ちょっと脱力。


仕方ないのでほっといた。


そしてあたしはすることがないので外を眺めた。


外にはビルばかりが見える。


あまりにもあるので、田舎に行くとビルがほとんどないのが嘘のように思えた。


そんなことを考えている間にも、外に広がるスカイブルーとグレーのコントラストの世界はまだまだ続いていた。