教壇と愛の狭間で~誰も知らない物語~

先生の車の色は黒。


あたしは思わず独り言を言った。


「なんとなく先生らしい気がするな。ちょっと口が悪くていやらしくて意地悪で…」


だけどクールでカッコいい所が、と言おうとすると先生が言った。


「こら、誰が口が悪くていやらしくて意地悪だって?そんなこと言うと…」


「言うと?」


「そんなことを言ったことを後悔するくらい、なおかつ忘れられないくらいヤバいことしてやろう」


先生の黒い笑みと黒い声のせいで、彼が本当に実行してしまいそうな雰囲気が漂っている。


「そんなこと言うなんて本当にいやらしい先生ですね」


「ええい、もう何とでも言ってくれ」


半ば、やけになっているようだ。


「…変態」


「ぬっ、今のは聞き捨てならんな」


「だって何とでも言ってくれって言うから」


「教師に言うことじゃねぇだろ」


「教師としてじゃない。1人の男性として言ってるんです」


「へりくつ言うな」


「う…すいません」


「俺の勝ちだな」


先生は楽しそうに笑った。


そんな子供っぽいところまで好き。


「さて、気を取り直して…行くか。初デートに」


先生がデートと言ってくれたことが嬉しい。


あたし達、今日は学校外だから普通の彼氏と彼女の関係なんだ。



空はいつにも増して美しいスカイブルー。


太陽も一段とまぶしく見えた。