教壇と愛の狭間で~誰も知らない物語~

こんなことがあったから、恋なんてしないと決めていた。


あの青年が恋人を失ったというのに、俺は恋にうつつを抜かしているなんてとんでもないことだと思っていたのだ。


沙奈はしょせん、親が決めた結婚相手だったのだし。


そして大学4年生になって、俺は教育実習生として母校の桜華風女子高校に来た。


教室に入った時、俺は一瞬で恋に落ちた。


40数人の中で経った1人だけ、何かが違っていたのだ。


そしてその彼女から告白されて、最初は既婚者だからという理由で断った。


しかし、感情はどんどん募り、ついに彼女を受け入れてしまった。


その彼女は…。


「失礼します」


「ん?水香か」


「社長、今夜時間ありますか?」


彼女は俺の会社で働いていて今、目の前で上目遣いで聞いてくる。


なぁ、水香。


お前が今、見ている森田湊典は偽りだ。


本当の俺の顔は最低な奴なんだ。


お前はこんな俺をどう思う?


心の中で問いかけても答えは返ってこない。


いつか偽りの俺もさらけ出せたら、少しは楽になるだろうか。


いや、さらけ出せない。


こんな臆病者の俺では。


偽りの顔できっと俺はこれからも生きていく。


そう、これは永遠に終わらない嘘…。


裏・教愛2 FIN



ご愛読ありがとうございました。
(2008年12月9日 23:22)