背の低いわたしたちは色んな人に何度もぶつかり、もみくちゃにされながら本部を目指した。
迷子になってしょげていた気持ちはすっかり無くなって、わたしはちょっとした冒険気分でアオイくんと歩いた。
同じくらいの歳なのに、アオイくんは、すごいなぁ…
やさしいし、たよりになるし、ほんとすごいよ。
わたしがうんうん、と感心していると本部が見えてきた。
アオイくんは振り返ってニコッと笑った。
「ユイちゃん、本部だよ!お母さん、いる?」
わたしはキョロキョロとお母さんの姿を探すが、お母さんを見つけることは出来なかった。
しょんぼりと首を降るとアオイくんはそっか…と言うと本部のおじさんのところにわたしの手を引きながら歩いていった。
