「そっかぁ…。じゃあまずあの髪飾りが取れればいいの?」 話を聞き終えるや否や彼は立ち上がり、その木にするすると登り始めた。 「あっ、危ないよ!降りてっ!」 わたしは足の怪我にふらつきながら立ち上がった。 アオイくんは顔だけこちらに向け、 「大丈夫大丈夫。ユイちゃんは座ってて。」 とだけ言ってまた登り始めた。 しばらくして、どうしていいか分からず立ちつくしているわたしにアオイくんが声を掛けた。 「ユイちゃん、いくよー」 すぐに上から花の髪飾りが舞い降りた。