ピッ


本の裏表紙についたバーコードを読み取り、返却期限の書かれた紙を適当に挟んで手渡す。



放課後の約一時間で何回この作業をするだろう。



5回ほどするときもあれば、しないときもある。

わたしの経験上、この作業は一日に片手で数えられるほどしかしない。



それだけうちの図書館の利用者は少ない。



「図書館があることすら忘れられてるんじゃないかなあ…。」


誰もいなくなった空間にぽつりと呟く。



それでもちゃんと来てしまうのはわたしはやっぱり変なところで真面目なんだよなあ。



暇だなあ…。



カウンターの椅子は何気に座り心地がいい。



ついうとうとしてしまっていたとき、