「この机、だれのだと思う?」
この机、とはさっき先生が運び入れた窓際の一番後ろにある机だ。
「だれのって…ここには席、無かったですよね?」
先生がニヤッと笑う。
「と、いうことは…?」
「と、いうことは…」
新品のきれいな机を見つめる。
あっ。
「転校生!!!?」
思わず手を叩いて先生を指差す。
「そのとおーり!」
「ほんとですか!?男!?女!?なんでこんな時期に!?どこから!?どの辺に住んでますか!?」
いきなり質問攻めを受けた先生は困ったように
「男子だよ。明日から来るから、仲良くなったら聞いてみなさい。」
とだけ言った。
