振り替えると長身のスポーツバッグを肩からかけたクラスメイトの河崎京(カワサキ ケイ)。




わたしは声の主が河崎だと分かると顔をしかめた。



「…なに。」



「なに。じゃねーよ。お前朝教室の掃除言われてたろ。」



あきれたようなバカにしたような顔で河崎は言った。


………


………………。



「あー、もう嫌なこと思い出させないでよ〜。」



うなだれるわたしの頭にポン、と手を置いて河崎はニッと笑った。



「頑張れって!」





「はいはいっ!」